Symptom 20181022(№106)(お萩)

(写真:萩沢写真館

 

「だいたいよう、自習監督なんかいらねえんだって」


まだ5時前だったが空はすでに薄暗く、今開いたばかりの天井の高い食堂は人影もまばらで、なんとなく冷え冷えしていた。

丸パンに蜂蜜をつけ、薄い野菜スープを飲みながら、副菜のグリーンサラダをぽそぽそと食べた。

ここでは何物も薄味だ。

 

「うちの学校は時間割変更とかやってねえんだから」

 

まるで苦い茶でもすするように吉住はその薄いスープをすすった。

 

「自習に対応はできねーの。だから自習にしなきゃない日は休講なんだよ、休講。」

 

高校生向けの給食がこんなに薄味で、はたして彼らは満足するのだろうか、とぼんやり思った。

 

「まあよ、課題が難しすぎっときは俺が2時間話ししてやっからよ、わはは」

 

パンの日はハズレだ。最後の授業が終わる前までに必ず腹が減る。逆に麺の日は多すぎる。

全部食い切れたためしがない。