(再々)Symptom 20171007(№91)(お萩)

(写真:萩沢写真館)

 


午後から始まるひよりの学校には、夜の授業の前に給食の時間があった。
 

監獄っていうのはこんなところかな、おかずの鮭のフライを箸でつつきながらひよりは思った。
 

色とりどりの違った外見をした連中が(服装規定のないひよりの学校は、競うように「学校」には似つかわしくない
格好をした学生たちであふれていた)皆で同じ味をした、同じカロリーの飯を熱心に食べている(その中には教師も生徒もいた)。
 

いやそれとも家畜?
 

ひじきの入った味付けご飯(それはひよりがこの学校の生徒になって、生まれて初めて食べたメニューだった)を

 
掻き込みながらそんなことを想像し、彼女は誰にも分からないぐらいほんのちょっとだけ笑うために唇をゆがめた。