(再々)Symptom 20160818(№06)(お萩)

(写真:萩沢写真館)

 


なあ、安穏と暮らせよ?安定した仕事。社会保障。各種手当て。終身雇用。何を焦ってるんだよ、もういいだろう?おまえにしてはよくやったじゃないか。
 

高校の成績は真ん中より下、地方三流無名大学の文学部をどうにか卒業。おまえがこれ以上、何を望む?おまえの努力以上に十分に与えられた生活じゃないか。そんなに欲張ってどうするんだ。もう、十分だろ?
 

満足しろよ。満足して、従って、波風立てずに穏やかに暮せよ。予定された将来に、計画された未来に乾杯、だ。
 

おまえは自分の何が許せないんだい?おまえは一体、何から逃げ出したいんだい?あなたはいったい何から逃げ出したいの?ある旅人が言っていたわ。望むから、苦しいのよ。望みなんて捨てるの。敢えて苦しむことなんてないじゃない。あえてくるしむことなんてないだろう?
 

君はそうやっていつも苦しんでいる振りをし、満たされない自分を演じて、それで自分を周りの連中と違うんだって思いたがっている。でも君は知っているじゃないか。君は他の誰とも違っていない。いかに君がそうじゃないように振る舞っても、君は君を落胆させるに十分なほど凡庸だ。
 

地獄も天国もないんだ。あるのは平坦で平凡なありふれた日々。自己を表現する必要なんてない。そもそも表現する自己なんて存在しないんだ。自己を表現しなければならないほど、お前と他人に差異はない。
 

さあ今日もパソコンの電源を切ってお薬を飲んでみんなと一緒に静かにお休み。他のブタどもと一緒にむさぼるように眠るんだよ、ブタ野郎。