(再)Symptom 20161202(№55)(お萩)

(写真:萩沢写真館)

 

ハリキリ先生のなんでかな日記(その1)
 

「まったく、なんでなんだ。何が分からないっていうんだろう。こんなに一生懸命教えているのに‥。」

「おやどうしましたハリキリ先生?」

「あ、タダノ先生。生徒が僕の授業が分からないって言うんです。何度も説明して、小テストまで何回もやっても全然取れないんですよ。宿題もやってこないし‥。だいたい今やってることって中学校で習ったものなんだけどなあ」

「ハリキリ先生は学生時代、英語は得意だったんですか?」

「はい、そうですね。他の科目は赤点取っちゃうことがありましたが、英語だけはウマがあったのか、ずっと得意でした。」

「そうですか‥。実は私はね、中学校時代、英語が一番苦手な教科だったんです。」

「ええっ、そうだったんですか?」

「ところがある時、学習塾に通い出したらとたんに成績がよくなりました。なにも特別なことをしたわけではありません。定期テストに出る範囲の部分を何種類もの別な問題集で解く、といったものでした。

ある教科の教員っていうのはその教科が好きだったり得意だったりした、「センス」のある先生がほとんどなんです。その教科が分からなくて必死にかじり付いて「克服」した経験のある先生って、そんなに多くはないんですよね。

そういう先生は「センス」のある子とはウマが合うんですが、「センス」のない子にとってはいったい何を言っているのか理解できないんです。

「センスのない子」にとって、分からない説明の繰り返しや、理解できてないことに関する小テストの連続、そして意味が分からない問題の宿題が有効であると、先生は思いますか?生徒は先生のことが嫌いなんじゃないんですよ。先生の言っていることが理解できなくて不安なんです。」