Symptom 20171003(№90)(お萩)

(写真:萩沢写真館)

 

 

隣で眠る女の頭を抱きながら、ああ自分は完全にひとりなのだなと思った。自分を愛する女がこんなに近くで寝ているというのに、俺の孤独感は全く充足する様子を見せない。この女には俺の埋まらない孤独なんて露程の価値もないのだろうな。ぐっすり眠る女の重みを感じながらそう考える。その重みがより一層、俺がひとりであるという事実を際立たせる。



結局、人の考えていることなんて完全には分からない。「ポジティブに、ポジティブに」なんて言われることがあるけれど、ポジティブであることにどれだけ意義があるのだろう。人は喜んだり悲しんだりし、日々移り変わる事物を生きている。悲しんでいる(苦しんでいる)他人の気持ちも分からずにいつ何時もポジティブであれなんて、どうかしていないかい?ネガティブだからこそ避け得る事もたくさんある。疲れた体に無理を押してまでポジティブに頑張る必要はあるのだろうか。ポジティブを強いてコンディションを崩すなんて本末転倒だ。それならネガティブに家で寝ていた方がマシだろう?



遷ろう思考を辿り、今日の自分はポジティブでいれたかネガティブでいれたか思い出しては、ぼんやり天井を眺めている。時計はまた、3:33だった。