(再)Symptom 20170206(№73)(お萩)

(写真:萩沢写真館)

 

さて我々はここまで、事象に割り当てられた語句の発音によって生ずる、その事象自体を想起させる現象について考察している。それを確認した上でさらに、我々は「挿入」という語の持つ、発音の事象そのものに対する描写性を考えていきたい。
 

まずはこの語を発音してみていただきたい。
 

「挿入」。
 

いかがだろうか。
 

実際にこの語を発声してみて、あなたはどのようにお感じか。
 

つまり、「そう」はそっとあてがう様、狙いを定めて、準備する行為を、そして「にゅう」は文字通り「にゅう」っとインサートする様子を表している。そういった一連の流れを、この語の発音は含有しているというわけなのです。
 

どう考えてもこの現象にこの語を割り当てた方は、まず、「そう」、「にゅう」という事の成り行きを鑑みた上で、それぞれに「挿」と「入」という発音の合った、漢字そのものの意味としてもそれぞれ適しているこの2つの文字を割り当てたのだろうと。私はそう考えます。いや、そう考えるしかないよね。そうとしか考えられない。他の考え方をする人の気が知れないです。