Symptom 20161006(幻の№30)(お萩)

 

「詩と写真6 2016」(載せ忘れ)

 

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 彼女との個人的な近況報告はここ何年ではほとんど絶え、かろうじて季節のやりとりが続いていただけだった(それでも物事が長続きしない性格の僕にとっては、極めて異例なことだったが)。確か数年前、「転居先不明」とスタンプを押された、見慣れた文字で宛先の書かれた年賀状(それはもちろん僕の字だ)が戻ってきて、それっきりだった。

 

 そのホテルは、不景気の負債を抱えて経営不振に陥り倒産したとどこからか聞いた。もちろん彼女の勤務地であり居住地でもあるホテルとその寮も、今は住所のない場所になっていた。