Symptom 20160915(№19)(お萩)

 

 

「まあこうやって一日おきに何か書いてるわけだけど、なんつーか、書くことって意味があんのかなーってときどき思うんだよね。なんかこう、書いてると、書いてるにもかかわらず書きたい事から逆に遠ざかってるような気がしたり、文章にしようとすればするほど、書いててなんか、自分がなにを文にしようとしてんのかってちょっと訳わかんなくなったりする時ってあるんだよね。

 

話のほころびを手直ししようとしたら逆にほころびが広がっちゃって、それを直す手直しが必要になっちゃったり、補足説明のつもりがその補足説明にさらに補足説明が必要になっちゃって、どんどんどんどん話が本題から離れて行っちゃうような、そんな感じ。

 

「私の発見は、偉大なる先人の肩の上で行われたものだ」なんてことを偉い科学者が言ってたんだけど、さらに言うとしたら、書くことってのもまた同じ事なんじゃないかって思う。何かを書く。だけどそれって完全なオリジナルなんかじゃなくて、所詮先達の書いたものをなぞっているだけのこと過ぎない。完全なオリジナルなんて存在せず、すべては何かの模倣で、要するに入力されたもの以上の出力を放つなんてことはありえない。何であれ全てはいずれかのソースに頼ってるっつー。そういえばもう一つ、有名なコピーライターが言ってた。「新しいアイデアとは既存のアイデアの掛け合わせである」って。」

 

 

それでも僕は、ときどき目の端でちらりとまたたく6等星の光のような脳裏を横切る想いを、気持ちを、愛しさを、表現せずにはいられない。