(写真:萩沢写真館)
誰もが自分のことを悪く言っているような気がする。
自分はひどく能力が欠けているような気がする。
自分は孤独であり、そして何にも熱中できず、常に虚しい思いをしている。
物事は予想と違った結果になってばかりである。
ただ嵐が過ぎるのをじっと待とう。
雨の日、葉の裏側で手足を折り畳んで眠る甲虫のように。
太陽が昇らなかった日はないし、止まなかった雨はない。
きっとまた、夜は訪れるだろう。雨はまた降るだろう。
そのときもまた、じっと耐えよう。
次の夜がいくらかでも楽なものになるように祈りながら。
次の雨が多少なりとも今日の雨よりもマシなものになるように祈りながら。
今はただ、眠ろう。嵐が過ぎるのをじっと待つのだ。